従来潤滑剤として広くまた一般に使用されているのは石油系の油及びグリースがその大部分を占めていますが、近時工業技術の急進展に伴い機械類の出力、回転数、摺動動速度の増大、荷重の巨大化、或はジェットエンジン、船舶用エンジン等熱機械利用の急進等々の傾向はとみに高まりつつあります。
驚くべき速度で発達する技術革新をサポートする潤滑は、その名もトライホロジーと改め問題解決のみならず、小型軽量化、TRMコストの低減等に大いに貢献しています。単位面積当たりの荷重の増大、回転数、しゅう動速度の飛躍的増大、超低温から超高温までの厳しい環境等に対応して潤滑剤の交換時期を延長し、産業廃棄物の低減にまで寄与するためにあらゆる研究開発が行われてきました。そのなかでも大きな効果をもたらしたのは固体潤滑剤の導入であります。一般に良く知られているのは二硫化モリブデンですが、二硫化タングステンは二硫化モリブデンより酸化温度が100℃近く高くて、耐熱性、耐圧性に優れ低摩擦係数を示します。グラム当たりの単価は高いものの、総合的なコストを低減することは良く知られています。これがコストダウンする潤滑剤です。
- 二硫化タングステン(WS2)は、重いほど強い!
- 荷重が大きくなればなるほど、摩擦係数が低下する傾向は固体潤滑剤の中でも特に優れています。
- 二硫化タングステン(WS2)は、熱に強い!
- 450℃の高温でも潤滑性を発揮し、焼付防止に役立ちます。
- 二硫化タングステン(WS2)は、忍耐強い!
- 工業技術院機械研究所の耐久試験では二硫化モリブデンの3倍以上の耐久性を示しています。
- 二硫化タングステン(WS2)は、安定している!
- 450℃まで殆ど酸化せず、化学的に安定しており、耐薬品性は固体潤滑剤の中でも特に優れています!
- 二硫化タングステン(WS2)は、摩擦係数を下げ省エネ効果をもたらす!
- 摩擦係数の低減により電力消費量を減少するだけでなく、部品寿命を延長して真の省エネを実現し、産業廃棄物(古い潤滑剤)の減少効果をもたらします。
この試験方法は記録機の針の揺れを読むことによる油圧の摩擦係数を曽田式四球試験機により試験したものです。そしてこれは球表面の摩擦の圧力によりヘルツ式から算出しています。その結果は次の通りです。
グラフのデータは次の条件によって試験したものです。
米国製MoS2=0.2um・WS2=0.2um・WS2=2.0um
Cu板
2.4kgf
0.46mm/sec
120mm/min
この試験は、津谷式摩擦係数試験機で測定しました。(工業技術院機械試験室にて)